外国人対応者・
市民ボランティアのための
情報箱

#035 こんなことで相談していいの?

久しぶりの更新となります。こんにちは! 専門家相談コーディネーターの青柳です。

今回から3回にわたって、東洋大学福祉社会デザイン学部教授 南野奈津子さんからの投稿記事を掲載します。

南野さんにはCINGAの「外国人対応者のための相談室」のアドバイザーを務めていただいています。寄せられた相談の中で特に、福祉、児童に関わる複雑なケースについて事例を検討し、より良い対応につなげていくことを目指しています。


こんなことで相談していいの?

こんにちは。東洋大学福祉社会デザイン学部の南野です。

実際の相談者と話をすると「明らかに深刻な問題ではないのに、相談をしていいのでしょうか」「この程度のことは対応は自分で考えてください、と思われないかなと思っちゃって」など、「こんなことで相談してもいいの?」と思いつつCINGAにコンタクトを取ってくださる方が少なくありません。その感覚は、とても共感できます。

そう考えると、外国人の方々も「こんなこと」は生活の日々のちょっとした事だからこそ、相談しづらいと感じている、ということもあるかもしれません。そして、それが日本の生活でのつまづき感となったり、小さな疑問や困り感を解消しないままに生活することで問題が大きなものになっていたりする、といった事があるのも事実です。

専門家相談では、雑談などで話が広がるなかで他機関のやり方の情報を知ったり、「そういうスタンスでやるのも良さそうだな」と思えたりすることもあります。そういう知識や視野の広がりが、後で実践で役立つことが多いものです。「こんなことで相談していいのかな」の答えは、「それこそが大事なのでぜひ!」です。 「まずは一度連絡してみようかな」の気持ちで利用いただければ嬉しいです。

東洋大学福祉社会デザイン学部教授 南野奈津子