#014 福祉の現場からのご相談が増えました
週の真ん中水曜日。
こんにちは。専門家相談コーディネーターの青柳です。
「外国人対応者のための相談室」を開設して3年が経ちました。
当初は国際交流協会の相談員や職員さんからの相談がメインでした。徐々に、行政の福祉の担当者や生活困窮窓口、社会福祉協議会の職員の方からの相談が増え、今では、弁護士相談や精神科医相談につなぐケースも出てきました。
肌感覚なのですが、コロナ禍前は福祉の窓口というと、生活保護などではそれなりにあったと思いますが限定的で、その他の福祉の現場ではそれほど外国人の相談がなかったように思います。
コロナ禍以降は、保健所や福祉関係の窓口には、感染に関することや生活困窮について外国人からの相談対応が増え、今まで外国人対応をしていなかった担当者の方が対応をするようになったのではないでしょうか。
それを裏付けるように、「外国人対応者のための相談室」では自治体の福祉事務所や女性や児童の相談窓口、社会福祉協議会、などからもよく相談をいただくようになりました。
心身の不調によって就労ができず、生活困窮をしていて、在留資格の更新をどうしたらよいのか?というご相談や、配偶者からの暴力により別居をしているが、経済的な問題に加えて家族滞在の在留資格である、というご相談もあります。
また、日本人の配偶者に先立たれ、心の不調を抱えている永住者の方が、本人が自覚がないために対応をどうしたらよいのだろうか、というご相談もあります。
全てのケースで在留資格の問題が絡むわけではありませんが、ご本人の訴えが、外国人特有の背景のものなのか、日本に親族がいないケースも多く、対応する福祉関係の方としたら、行き詰ってしまう状況となりやすいです。
本人は帰国をしたくても本国の戦争や政情不安で帰国をすると危険な状況に置かれる、という状況もここ2-3年で増えました。
ウクライナやミャンマー、最近ではイスラエル出身者について、本国に帰国した際の不安があるケースの相談がありました。海外の事情が入ってくると、個人の力でどうすることもできません。
福祉の現場で対応をされる方々から相談をいただくたびに、どのケースも複数の問題が重なって対処に困っている様子が伝わってきます。
ご相談では、何ができて何ができないのか、そうした課題整理をして、その時々のベストを尽くす方向で考えることも多々あります。一緒に考えることで福祉の現場の方々の力に少しでもなればと思っています。
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