#003『わたにほCINGA版』ってどんな教材?②〜翻訳版〜
こんにちは!
地域日本語研究チームの西山です。
前回から、2021年に作成した生活者のための初級日本語学習教材、『わたしをつたえるにほんごCINGA版』、通称「わたにほ」についてご紹介しています。
今回は、「わたにほ」の翻訳版についてご紹介します。
「わたにほ」には補助教材として現在9言語の翻訳版があります。本冊の語彙と本文を翻訳したものです。
本文の翻訳は、Youtubeやイラストを見ただけでは内容の理解が難しい場合の手助けとなればと思い、作成しました。
日本語と他の言語では物事の言い表し方が違う場合がありますが、できるだけ日本語の言い回しに忠実に翻訳してもらっています。ですので、翻訳版を読んだときに、本来のその言語の言い回しではちょっと不自然だと思われる部分もあると思いますが、これは、この翻訳版がストーリーの内容を理解するためだけでなく、この内容を日本語だとどのように言い表すのかを理解するために作ったものだからです。
はじめに英語、フィリピノ語、中国語、ネパール語、ベトナム語、フランス語、ベンガル語の7言語を作成し、先月8月にアラビア語、ダリ語を追加しました。これらは主に、CINGAが日頃より相談通訳等でお世話になっている方々に依頼し、翻訳して頂きました。
翻訳版の言語にどの言語を選ぶかを決める際には、地域日本語分野以外のCINGAメンバーにも意見を聞きました。
そして、少数言語通訳者派遣コーディネート事業(チラシPDF)を行なっているCINGAで作成する教材なのだから、使用者が多そうな言語ばかりでなく、使用者が少なそうでも他の教材にはあまり翻訳版がない言語を選択しようと決めました。
時々、はじめに作成した7言語の翻訳版の中にフランス語訳があることについて、めずらしいというご感想を頂くことがあります。フランス語を選んだのは、日本に来られる難民の方に、フランス語話者がいることを考えたためです。
また、先月追加したダリ語は、アフガニスタンで話されている言語の一つです。ウクライナの方々への支援状況を見ながら、同じ時期に困難な状況におかれる国から来日した方々のことがずっと頭の中にありました。それで、この機会に、翻訳のある教材が少ないダリ語を追加することにしました。
タイミングとしてはすっかり遅くなってしまいましたが、必要な方に届くことを願っています。
次回は、CINGA作成教材『わたしをつたえるにほんごCINGA版』をどんなコースで使ってきたかをご紹介します。
お楽しみに!
「わたにほ」の詳細について、また、教材ダウンロードのご案内についてはこちらからご欄ください。