#010 こんな経緯で相談室ができました
週の真ん中水曜日。
こんにちは。専門家相談コーディネーターの青柳です。
今日は、私が全国の国際交流協会や行政機関から行政書士・社会福祉士として相談を受けている 外国人対応者のための相談室 がなぜできたのか? をお伝えしたいと思います。
CINGAでは2012年年度から外国人向けに定期的な専門家相談会を実施してきました。全国の国際交流協会から弁護士や精神科医に相談したほうが良いのでは?というケースについてお話を伺いながら、相談会につなげてきました。
専門家相談につなげる前段階としてお話を聞く中で、専門家につながないまでも、外国人の在留資格や制度の知識があれば国際交流協会や行政の担当者が対応できるものがあることに気づきました。
また、そうした担当者が日々の相談対応の中で相談事例の少ないケースなどは迷いながら対応している様子も伝わってきました。
そこである日、思ったのです。
そうだ!CINGAは外国人対応者向けに研修会は開催しているけれど、日々の相談対応は一つ一つ異なる。現場で知識を活かすためには、そのケースに合った対応方法を考える必要があるんじゃないか?
つまり、外国人相談に対応する担当者が、ケースごとの対応方法を一緒に考える支援者が必要だ!
と。
現在、外国人が相談する窓口は、全国的にかなり整備されてきています。だけど、そこで対応する担当者が現場で困ったとき、少ない人数で回している窓口ならなおさら、対応に迷ったときの相談先がないことが発生します。
外国人相談は、分野が多岐にわたります。在留資格や法律、医療福祉、教育、労働、DV・・・生活全般と言ってもよいでしょう。
これらの相談を受けた時、案内だけで済ますことができればよいですが、より具体的な対応が必要な時は、他機関につなぐ必要があります。そのため、外国人相談に対応する担当者の役割はとても大きいです。
ということで、まだコロナ禍だった2021年7月に、CINGAの自主事業として、外国人対応者のための相談室を開設しました。
地域に住む外国人が生活上の課題を抱えた時、住んでいる地域で課題の解決を目指すこと。
これは、日本で生まれ育った人にとったら少し調べたら相談先が分かって当然の感覚かもしれませんが、外国人にとっては相談できる機関すら知らない、なんてこともありします。
外国人に対応する国際交流協会や行政が外国人が抱える課題を主体的に対応することができれば、その先にいる多くの外国人が地域で課題解決に図れるようになる・・・
外国人対応をしている担当者を支援する、いわゆる、支援者支援を全国的レベルで総合的に行っている窓口は、私は他では知りません。自分語りが続きますが・・・ この機能を持つ窓口の開設を思いついたとき、一人でワクワクしていました。
今まで、相談の電話をくれたり来所する外国人にしか対応できなかったものが、全国で国際交流協会や行政機関が受け皿となったケースを間接的にでも関われる、より多くの対応ができる、しかも担当者の今後のより良い対応にもつながるのではないかと。
そうして開設した外国人対応者のための相談室は、全国からお電話の相談をいただきます。
実は、地域に詳しい国際交流協会や、専門機関である福祉事務所や児童相談所、保健所から相談をいただくと、私自身とても勉強になっています。地域独自のものや専門機関での対応についてお話を聞かせていただくことができて、次は他のケースでも活かそう、と思うことがあるのです。
私自身、思い入れのあるこの外国人対応者のための相談室。 どんな小さなことでも、対応する方々が迷ったときに相談できる窓口になればよいな、と思っています。
CINGAが実施している、「外国人のための遠隔無料専門家相談会」と、「外国人対応者のための相談室」の詳細は以下の「詳細はこちら」ボタンよりご覧ください。