外国人対応者・
市民ボランティアのための
情報箱

#003  支援情報を外国人に知ってもらいたい

週の真ん中水曜日。
こんにちは。専門家相談コーディネーターの青柳です。

日本に住む外国人に役立つような素晴らしい相談先や支援があったとしても、その対象となる人たちに知ってもらわなければ、利用につながりません。

公的機関や団体を対象とした外国人相談に関する研修を行う中で、しばしば質問にあがるのが

「どうしたら多くの外国人に情報を届けることができるの?」

「どんな方法で周知ができるの?」

ということです。

CINGAでは、今まで多岐にわたる外国人向けの相談センターを開設してきました。

開設して間もない相談センターは、支援団体をはじめ、外国人にも知られていません。

日本語で情報収集が難しい人ほど、母語で相談できたり、外国人を対象とした相談センターを必要としています。

必要としている人に相談センターを知ってもらうためには、どうすればよいのか?

 ― 信頼できるコミュニティのキーパーソンやグループと協力してSNSで発信する ― 

 

インターネットが普及する前は、在住外国人の情報収集といえば、母語で読める新聞やフリーペーパー、自治体や団体から配られる外国語に訳された案内チラシで情報発信がされていました。

インターネットが普及してからは、多くの外国人はインターネットも使って母語による情報を検索しています。

特に、外国人が来日するきっかけで多い、留学や技能実習、婚姻では若い世代が多く、自分がどの国に住んでいるか関係なく情報を入手することができるインターネットは一番の情報源ではないでしょうか。

インターネットでの検索に加えて、SNSの存在も大きいと感じています。

私たちが情報を得ようとするとき、何を基準にこの情報は本当だろう、と感じるでしょうか。

情報を探しているとき自然と、自分が理解できる言語で伝えられる内容から情報を得ようとしますね。さらに、「誰が発信しているか? なじみのある情報源か?」ということも重要視するのではないでしょうか。

そうすると、単に母語や理解できる言語に翻訳された文章で情報が発信がされても、情報を探している人にとってなじみのない発信者や、今まで知らなかった団体だと、なかなか情報が届きにくくなります。

もし、すでにコミュニティからよく知られて多くのフォロワーがいるキーパーソンやグループから母語で正確な情報や相談先を発信してもらうことができたら、どうでしょうか。効率よく情報がダイレクトに届けられますと思います。

CINGAで実践したこと

すぐに必要としている人に相談センターを知ってほしい、そのためにはFacebookを使おう。

これを実践したのは、2022年度にCINGAで開設した「ウクライナ語のこころのよりそい電話(Support-Ukr)」です。

ウクライナ避難民向けの相談センターは必要としている人が必ずいるはず。そういう想いを持ちながら、ではどうしたらなるべく早く必要とする人たちに情報や支援、相談センターのことを知ってもらえるのか。

ウクライナ出身の相談員と相談をしながら、ウクライナ語で発信するFacebookのページを新たに開設して発信すると同時に、日本に住むウクライナ人が多くフォローしていたFacebookのグループでも、Support-Ukrの情報をシェアしてもらいました。そうすることで、短期間により多くのウクライナの方々に活動を知ってもらうことができました。

ここでポイントが。SNSで発信するとしても、情報を共有する際にはお互いに信頼できる情報を発信しようとする関係性も重要です。SNSだけの世界にとどまらず、直接、活動や人柄について知っていることも大切だと思います。

次回は、「対面の専門家相談会で気づいた今どきの情報収集」 について書きます。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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